ロレックスは、ウォッチズ&ワンダーズ 2022で新しい「オイスター パーペチュアル エアキング」を発表。ケースサイドのシェイプやブレスレットの幅など、細かい部分がブラッシュアップされ、より完成度の高い1本が誕生した。
航空界とロレックスをつなぐエアキング
ロレックスは、新作腕時計の祭典であるウォッチズ&ワンダーズ 2022において、新たな「オイスターパーペチュアル エアキング」を発表した。エアキングの名で親しまれるこのモデルは、1930年代に黄金期を築いた航空の世界とロレックスとの絆を象徴する1本である。
1930年代は、航空機の製造技術や性能が飛躍的な進化を遂げ、長距離飛行を実現した時代だった。ロレックスの時計は飛行機のパイロットにとって計器であり、オイスターを着用して長距離飛行の記録を打ち立てたパイトットもいたという。
例えば、1934年にオーウェン・カスカート・ジョーンズとケン・ウォーラーが、世界初のジェット旅客機であるデ・ハビランド・コメットでロンドン(イギリス)とメルボルン(オーストラリア)間を記録的な短時間で飛行した時、ロレックスの時計をクロノメーターとして使用したという記録も残っている。
この「オイスター パーペチュアル エアキング」は、壮大な飛行史において、ロレックス 偽物のオイスターが果たした役割へのオマージュなのである。
刷新されたディティール
今回発表された新しいエアキングは、さまざまな点が刷新され、見事なアップデートを果たしている。まずはケースとブレスレットだ。直径40mmのケースの側面からラグにかけてのラインは前作よりも直線的になり、大きくなった“トゥインロックリューズ”に合わせ、新たにリュウズガードが設けられた。
一方でブレスレットは全体的なバランスが見直された関係で、センターリンクの幅がわずかに広くなったほか、エアキングでは初となるセーフティキャッチ付オイスターロッククラスプを備えている。
また文字盤も変わった。艶やかなブラックダイアルの表面に配された数字にも手が加えられている。ミニッツスケールの「5」の前に「0」を足してすべて2桁を表示することで、全体のバランスを整えたのだ。
プロフェッショナルに向けたエアキングは、暗所でも視認性を確保する必要がある。本作には最適化されたクロマライト・ディスプレイが採用された。中心から伸びる3本の針と、三角形のアワーマーカーには、明るく長時間発光する蓄光塗料を充填、またはコーティングしている。そして、これまでは18Kホワイトゴールドで製だった3、6、9のインデックスも、ブランド独自の革新的な素材によって暗闇で発光するようになったのである。
搭載するのはCal.3230
本作には、ロレックスが完全自社開発・製造した2020年発表のムーブメント、キャリバー3230が搭載されている。数件の特許を申請し、精度、持続時間、耐衝撃性と耐磁性、利便性と信頼性において際立った性能を発揮する。
このキャリバー3230で特筆すべきは、高いエネルギー効率と信頼性を両立させる、特許取得済みのクロナジー エスケープメントを採用している点だろう。ニッケル・リン合金製のため磁気の影響を受けにくいのが特徴だ。
ムーブメントには、ロレックスが常磁性合金から製造したブルー パラクロム・ヘアスプリングが備えられている。この精度を左右する重要なパーツにはロレックス オーバーコイルが装備され、あらゆる向きにおいて等時性を保っている。またテンワはロレックスがデザインし、特許を取得した高性能パラフレックス ショック・アブソーバが搭載され、耐衝撃性を高めている。
そしてパーペチュアルローターが搭載された自動巻き機構を備えている。香箱の構造と、脱進機の効率を向上させたことにより、パワーリザーブは約70時間まで伸ばすことに成功している。